いつもご依頼ありがとうございます。
昨年を振り返ってみると当社にとってアライグマの相談や駆除案件が特に増えた年でもあります。まあ、私たちの業界ではたまたまその生物の当たり年に当たることはよくあるのでその程度に考えていたのですが、事態はもっと深刻なようです。以下、一昨年10月のPCO(害虫駆除)新聞より抜粋です。
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アライグマは44都道府県に生息、分布情報は前回の3倍
「環境省はこのほど生態系などへの被害拡大が懸念される外来生物アライグマ、ハクビシン、ヌートリアに関する生息分布調査結果を公表した。」
「環境省は2010年に国や都道府県、研究機関や専門家による調査結果を整理し、さらに市区町村へのアンケートによる情報を収集し、5kmメッシュ(四方)に区切り分布状況を調べた。その結果、アライグマはメッシュ数の状況から約20%の地域で生息がみられ、分布情報は2005年~2006年に実施した前回調査の約3倍に増加。」
「分布情報があったメッシュの増加率を都道府県別にみると、茨城県が最も高く、次いで佐賀県、福岡県の順に高かった。」
「このほか中国地方、高知県を除く四国地方で分布が拡大し、九州地方では北部で分布が拡がり、宮崎、鹿児島の両県でも生息情報が得られるなど、全国的な分布拡大傾向がみられる。」
(以上、PCO新聞 第480号、平成30年10月1日)
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(当社の害虫・害獣駆除の作業方針と流れ、こちらもご覧ください)
アライグマに関しては一時のラスカルブームでペットとして持ち込まれたものが増えているため特に首都圏周辺の山間部で多かったようですが、今回の報告では「関東、中部、近畿の各地方では、市街地を含む全域で確認されるようになった。」としています。また、上の抜粋で上げたようにその増加は全国規模で拡大していて、特に北部九州では顕著な増加を示しているようです。
当社案件が特に増えているのも納得がいきますね。アライグマは日本の生態系の中では特に目立った天敵がいません。特定外来生物に指定されているため駆除にもかなりの制約があります。行政が抜本的な対策を示さない限りこのまま増え続けていくこともやむを得ないのではと思ってしまいます。
この分では来春の繁殖時期も多くの相談をいただくことになりそうです。特に福智山山系周辺は要注意です。直方、田川、北九州周辺にお住まいの方は用心してください。次回はアライグマの実害と対策について書こうと思います。ご相談はこちらまで。